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季節の養生《秋》/季節の養生《冬》

季節の養生《秋》

秋は立秋(りっしゅう)、処暑(しょしょ)、白露(はくろ)、秋分(しゅうぶん)、寒露(かんろ)、霜降(そうこう)の6つの節気からなる3ヵ月間です。

季節の特徴

暑い夏から徐々に涼しくなり、寒い冬へ向かう秋は万物が成熟し、収穫の季節。

天地の気が引き締まり、空気が澄み渡り、全てのものが引き締まる季節。

自然界は陽気旺盛から陰気成長へ変わる時期。

人の体の陰陽も「陰長陽消」になっていきます。

人への影響

秋の五臓は「肺」

・肺は気を受け持つ(「肺主気」)、呼吸を受け持つ(肺主呼吸)臓。

気だけでなく、血・水も全身に巡らせます。

・肺は気管や喉を通じて外界に直接開かれているので、外の空気に敏感で影響を受けやすく、乾燥した空気が肺(呼吸器系)に直接入ってくると、口、喉、鼻が乾く、鼻血や咳が出やすくなります。乾燥した空気は病気の原因である燥邪となって体の水分を消耗させ、潤を好む「肺」に侵入し、肺の機能を低下させます。

・肺にはウイルス、細菌、花粉などの侵入を防ぐバリアの働きをする「衛気」を体表へ行き渡らせる働きがあります。肺の機能が低下して衛気を体表部へ送れなくなると、カゼを引きやすくなる、寒気がするなどの症状が出ます。

また肺の機能が低下すると血液循環、水分代謝が悪くなり、免疫力が落ちてカゼをひきやすくなる、便秘がちになる、肌が乾燥してシワの原因にもなります。

・肺は滋潤・温暖を好み、乾燥・寒さを嫌います(肺にとって燥邪は最も忌むべきもの)。

 

・肺とつながる感情は憂・悲

憂い・悲しみは気を消耗させます。肺は気を受け持つ臓なので、肺も弱ります。

反対に肺が弱っていると悲しくなったり、気が塞いだりします。

秋の乾燥

・秋の前半の乾燥は夏の残暑が加わった乾燥(「温燥」)で、喉の乾燥・痛み・かゆみ、鼻血、便秘などの症状が現れます。

・晩秋から立冬に近づく頃は寒気が強くなり、冬の寒気と合わさった乾燥(「涼燥」)で、

皮膚・毛髪の乾燥、抜け毛、フケ、シワが生じるようになります。

秋の養生

自然界の陰陽の変化に従って、人の体の陰陽も「陰長陽消」になっていきます。

冬を過ごす準備に入る時期なので、

・夏の疲れを早く回復して、秋にかかりやすい病気を予防する

・早く寝て早く起きて「肺」の気を養うようにする

・物悲しくなる季節ですが、鬱々、クヨクヨしていると「肺」や胃腸が弱り、病気にかかりやすくなります。心をゆったりさせ、上手に気分転換を図りましょう。

秋の食養生

・肺の機能が低下しないように、肺を潤す作用のある食材、

気・血・水の流れをよくする食材をとりましょう。

・潤い不足で便秘になったりしますから、整腸作用のある食材を取りましょう。

・補気するもの、免疫力を高める食材を摂って、ウイルスや乾燥への抵抗力を高めましょう。

・木の実、根菜類で滋養を蓄え、夏の疲れを癒して冬の寒さに備えましょう。

秋にとりたい食材・中薬

・滋陰/補陰(肌や体内組織の乾燥状態の改善。津液を補い体内を潤す)

 山芋 黒豆 かぶ 白きくらげ エリンギ ほうれん草 黒ゴマ 貝柱 燕の巣 鴨肉

 豚肉 鶏卵 鶏卵黄 チーズ ヨーグルト 氷砂糖 阿膠など

 

・生津/止渇(津液を生じさせ体内を潤す。津液不足による乾燥状態を緩和させる)

豆腐 豆乳 白きくらげ オリーブ かりん 桃 牛乳 水飴 さとうきび/ 

ざくろ 柿 キウイフルーツ スダチ 梨 ぶどう 燕の巣 チーズ/ 

れんこん りんご レモン ヨーグルト 白砂糖など

 

・潤肺

山芋 黒きくらげ 白きくらげ くわい 百合根 無花果 柿 スダチ 梨 バナナ りんご アーモンド 銀杏 松の実 落花生 氷砂糖 さとうきび 白砂糖 

水飴 枸杞子 阿膠など

 

・止咳・平喘

湯葉 かぶ 黒きくらげ くわい 百合根 無花果 ざくろ 梨 桃 くるみ 松の実

アーモンド 落花生 鯉 海苔 オリーブオイル 氷砂糖 蜂蜜 水飴 杏仁など

 

・潤燥

 かりん 黒ゴマ 白ゴマ 燕の巣 なまこ 鶏卵 鶏卵黄 オリーブオイル バター

蜂蜜など

さて次回

〈季節と養生〉は
8月の食養生(立秋・処暑)です。
すぐにつづきを見たい方はコチラ

季節の養生《冬》

冬は立冬(りっとう)、小雪(しょうせつ)、大雪(たいせつ)、冬至(とうじ)、小寒(しょうかん)、大寒(だいかん)の6つの節気からなる3ヵ月間です。

季節の特徴

一年中で最も寒い季節。動植物が冬眠状態に入る季節。

陰盛陽衰の時で、陰が極まり、陽が潜伏するため、夜が長い。

人体への影響

人も「天人合一」に従って、体の陰陽消長が緩慢な状態になる。

草木が葉を落とし、根だけを地中に残し栄養をとりながら春を待つように、

人も身体を休ませ、腎に精気を貯蔵する「収蔵」の時期になる。

 

寒気により

体の陽気が阻滞され、冷え、痛み、しもやけなどの症状が出る。

気血の運行・代謝が滞り、関節や筋肉のこわばり、循環器系や脳血管系疾患の発病率が高まる。腎・膀胱系疾患も悪化しやすい。

厳しい寒さで体の抵抗力が弱まり、カゼをひきやすい。

空気が乾燥するため

鼻、喉、気管支などの粘膜組織の乾燥により、バリア機能が低下。カゼをひきやすい。

また、口・鼻の乾燥、喉の痛み、皮膚の乾燥、ひび割れなどがおきやすい。

寒気と乾燥で発汗が減り、水分代謝が主に尿に頼ることになり、尿量が増える。

日照時間が短くなり気分が落ち込みやすくなる。

腎について

五行の「水」に属している

腎の働きについて

・精(精気、腎精ともいう)を貯蔵する

生命活動の基礎物質(生命エネルギー)である精を貯蔵

全身の陰陽の元(腎陰は全身の陰の元、腎陽は全身の陽の元)

その精の働きは

①生殖

②生・長・壮・老・死の、生命プロセスの要。腎中の精気の盛衰が深く関わる

③髄を生み、骨や脳の元になる

④血液の生成に関わる

⑤外部から体を守り、病気を予防する

 

・水液代謝を受け持つ

・肺が呼吸した清気を体内の深部まで取り込む、等

 

このように腎は骨・髄・脳髄・生殖能力を含め、身体の成長や、各臓腑の働きに精力を提供しています。腎の働きが衰えると影響が特に現れるのが生殖機能で、男性では性欲の低下、やる気の減退、女性では月経不順、経血量の減少、閉経が早まるなどの症状、男女の更年期の不定愁訴の症状などが現れるようになります。

また、骨や歯が脆くなる、耳が遠くなる、白髪が増える、不安感が強くなる、やる気が低下する、などの症状が出るようになります。

 

腎は五行の「水」に属し、冬に通じているので、常に冷たい環境に置かれています。

腎の働きが落ちないように、腎を冷やさないことが大事になります。

冬の養生

体の陰陽のバランスを取るために、少し早く寝て、少し遅く起きる(長めの睡眠時間)

体を冷やさないようにする

寒さと空気の乾燥で、肺が弱りますので、肺の養生も忘れずに

冬の食養生

体を温める食事を摂るように

冬の朝は温かいものを摂るように

冬の臓である腎を養生すること

冬は体を養うのに最も良い季節といわれています(「秋冬養陰」)。

腎精不足、パワー不足は老いの始まりです。

生命エネルギーの腎精に働きかける食事をとり、元気で老いにくい体をつくりましょう。

冬にとりたい食材

補陽:くるみ 羊肉 エビ ニラ ニンニク

補気:うるち米 もち米 長芋 じゃがいも キャベツ 椎茸 栗 豚肉 鶏肉 牛肉 羊肉 うなぎ エビ イワシ 鰹 鯖 鮭 蜂蜜 ナツメ

滋陰:黒米 長芋 黒豆 小松菜 ほうれん草 白きくらげ 黒ゴマ 鶏卵 鴨肉 豚肉 あわび ムール貝 カキ イトヨリ ホタテ 枸杞子 

補血:黒豆 ほうれん草 にんじん 黒ゴマ 豚レバー 牛肉 鴨肉 いか たこ 鯖 鮭 鶏卵 当帰 ナツメ 龍眼肉 阿膠

補腎:黒米 豚肉 鶏レバー ニラ キャベツ カリフラワー ブロッコリー ごぼう

イトヨリ エビ ホタテ 栗 くるみ 黒ゴマ 

からだをあたためる:ニラ ネギ 生姜 大葉 香菜 茗荷 唐辛子 山椒 鮭 鯵 

黒砂糖

健脳:鯵 くるみ 黒ゴマ イワシ ウニ カタクチイワシ うずらのたまご

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