気功 養生天人功

11月の食養生(立冬/小雪)・12月の食養生(大雪/冬至)・★1月の季節の食養生(小寒/大寒)

立冬(りっとう)11/8頃〜11/22頃

冬の始まり。立冬から陰気が日毎に上昇してきて(陰気成長)、寒くなる節気。

 

・山茶始開(つばきはじめてひらく)

・地始凍 (ちはじめてこおる)

・金盞香 (きんせんかさく)(読みはキンセンカですが、水仙の花だそうです)

 

暦の上では冬の始まりですが、体感は晩秋、といったところですね。

 

栗は9月から10月まで(産地によっては11月まで)が旬。

シーズン中に栗ご飯や栗おこわを楽しまれたと思います。

・栗:温性。甘・鹹味。脾・胃・腎に帰経。

加齢による腰膝の衰え、頻尿・尿失禁の改善。胃弱に。 

 

生栗は終わってしまっても甘栗や甘露煮があるので、その栗を使って

 

〈甘栗と生姜のご飯〉体を温め、腎を温める

①もち米・うるち米(各1/2カップ)は一緒に洗って、水に1時間ほど浸ける。

②甘栗(10個)、生姜は細い千切り。

③炊飯器に全てを入れ、水加減して炊く。

・もち米は温性で、うるち米(平性)よりも体を温める。両米とも脾胃の気を補う。

・栗は脾・腎を温め、生姜は体を温める。

 

〈栗と牛肉〉筋骨強化

・牛肉と玉ねぎを赤ワインで煮て、栗を加え煮詰める。

・牛肉:補気・補血して貧血の改善、血行促進。足腰の衰え、体力低下に。

 

栗の皮を剥く手間と時間を考えると、甘栗や甘露煮は助っ人です。でも、

生栗が手に入ったら、栗きんとんや渋皮煮も作ってください。

栗きんとんを作るときに、渋皮を少し加えると深みが出ると言われましたので、

お試しください。

渋皮:タンニン(抗酸化、抗菌、降コレステロール)が多い

 

11月15日は七五三です。子どもたちの健やかな成長を願って

 

〈賢くなる〉(ことが期待される)お菓子(5人分くらい)

①お湯(20cc)に黒砂糖またはキビ糖(25g)を入れ、泡が出て粘りが出るまで加熱。

②くるみ(50g)、すり黒ゴマ(5g)を①に加える。

③火を止め、砂糖が固まる前に手早く混ぜ合わせる。

・くるみ:「健脳の木の実」。脳の老化防止、記憶力・集中力を高める。

・黒ゴマ:補腎・補肝。健脳。

 

〈学習能力アップ〉(が期待される)飲み物

①くるみはさっと茹で、水、豆乳と合わせ、すりつぶす。

②鍋に①を入れ、火にかける。甘みは蜂蜜で。

・豆乳の原料は大豆です。その大豆の機能成分の一つであるレシチンには脳機能の維持改善の働きがあります。健脳の「くるみ」+「豆乳」で、集中力・記憶力・判断力の増大、学習効果アップが期待されます。

小雪(しょうせつ)11/23頃〜12/6頃

天の気は上昇し、地の気は沈み、日差しはさらに弱まり、冷え込みが厳しくなる時期。

雨が雪になって降り始める時期。

 

・虹蔵不見(にじかくれてみえず)

・朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)

・橘始黄 (たちばなはじめてきばむ)

 

冬の美味しい食べ物、カニ、冬ガキの季節になりました。

 

カニについて

カニ:寒性。鹹味。肝・胃・腎に帰経。血行を促進し、腫物、むくみ、鬱血の解消。

カニは体を冷やす食べ物なので、茹でる、焼く、鍋、温かいスープなど、加熱して、

体を温める生姜(温/辛)、酢(温/酸・苦)、酒(温/甘・辛・苦)を添えて・加えて食べることをお勧めします。

ちなみに、ワインは温性、ウイスキー・焼酎は熱性、ビールは寒性です。

 

カキについて

カキ:平性。甘・鹹味。 心・肝・腎に帰経。

体を潤し、補血するので、精神の安定、不眠症の改善、イライラに効果。

グリコーゲン(即効性エネルギー源、疲労回復)は秋冬に蓄積され、旨みを増す。

栄養価が高く(アミノ酸、ビタミン、ミネラルが豊富)、低脂肪。

男性不妊に(精子の活動を高める亜鉛が多い(13.2mg. cf.牛肉4.6mg/100g)。

 

ボレイ(牡蠣と書いて「ボレイ」と読みます):カキの殻を焼いて粉末にした中薬。

精神安定、不眠、寝汗、夢精などの症状に他の中薬と共に用いられます。

普通は、貝殻の左の殻を使うそうです(『中医臨床のための中薬楽』)。

 

ネットで見るとカキのレシピはたくさんあり、どれも美味しそうです。

 

・スープ:調理する食材全ての栄養が取れるのが嬉しい。

カキを季節の根菜、きのこ、葉物(ほうれん草、ブロッコリー、他)、カリカリベーコンなどと一緒に温かい汁物にする時、うずらのゆで卵も入れてみてください。

  うずらの卵:五臓の機能を高める。補気補血。健脾。筋骨強化。健脳。

カロリーは鶏卵(151cal)より高い(179cai)

 

〈カキの卵炒め〉

①カキは塩水できれいに洗い、湯通しする。**

②よくほぐした卵にみじん切りしたネギ・生姜、お酒、塩を加える。

③②に①を加え混ぜたら、油をひき、熱したフライパンで軽く焼く。

カキと卵の滋陰養血で精神不安、のぼせの改善。精力・記憶力を高める。

** 解凍すれば生で食べられるカキや冷凍蒸しカキなど、下処理せずに済む商品は使い勝手が良いです。

 

父は時々、一人だけカキを入れた実だくさんのお味噌汁を食べていました。

私は子どもの頃はカキが好きではなかったので、「やだなぁ」と思っていましたが、

元気で長命だった父のパワーの源だったのかもしれないと、深く反省。

大雪(だいせつ)12/7頃〜12/21頃

本格的な冬の到来。天地の気が閉塞(上昇も下降もしない状態)。

体の中も外も、温かくしましょう。

 

体を温める食材:羊肉、骨付き鶏肉、エビ、ブリ、マグロ。ニラ、ネギ、生姜など香の強い

野菜。シナモン、など。

 

エビ(補腎。陽気を補う。足腰の冷え、血行不良の改善。疲労回復など)を使って。

〈桜エビと生姜のごはん〉

①粳米:もち米(2:1)1カップは洗い、水に1時間つけておく。

②①を炊飯器に入れ、お酒大さじ1/2を加え、水加減して炊く。

③炊き上がったらみじん切りにした生姜(5g)を混ぜる。

④器に盛り、白胡麻を散らし、釜揚げ桜エビをのせる。

桜エビの秋漁は10月下旬から12月下旬までとか。桜エビが手に入ったら混ぜご飯。

乾燥桜エビは軽く乾煎りして、水加減したお米と一緒に炊飯器で炊きます。

 

そのほかのエビとの取り合わせ

〈エビとブロッコリーの炒め物+ナッツ類〉

ブロッコリー:補腎、五臓を補う、老化防止。

〈エビとかぶのさっと煮。葛あんかけ〉ワサビ添え。

かぶ:五臓を補う。体を温める。消化不良、便秘に。

ワサビ:お腹を温める。体表の邪気を取り除く。鼻詰まり。

 

葛湯:カゼのひき始めに。肩、背中のこりの解消。

おろし生姜を加えると温める効果が高まる。

 

酒粕:お腹を温め、血行を促進。冷えによる消化不良に。

毎日の汁物にちょっと入れて、気軽にとりましょう。

 

美味しい果物が出回っています。

まずはりんご。豚肉料理にピッタリの〈りんごのピュレ〉を作りましょう。

ヨーグルト、トーストにも合います。

りんごは紅玉やグラニースミスのような酸味のあるものを。

 

〈りんごのピュレ〉バージョン1

①りんごは芯を除き、皮をむいて乱切り。

②鍋にりんご、水とレモン汁(適量)を入れ、りんごが柔らかくなるまで煮る。

③柔らかくなったらフードプロセッサーにかけ、ピュレ状にする。

・甘くないりんごジャムですね。

・我が家にはフードプロセッサーがないのでミキサーでガーッと。

 

〈りんごのピュレ〉バージョン2 (ちょっとおしゃれっぽい)

①りんごは芯を除き、皮をむいて乱切り。

②鍋にりんご、レモン汁、白ワイン、色づけにりんごの皮を入れ、柔らかくなるまで煮る。

③柔らかくなったら、りんごの皮を取り除き、フードプロセッサーにかける。

砂糖と塩で味を整える。

 

簡単で力強い、〈ピュレ〉というより付け合わせ。

①りんごは荒くすりおろす。大根もすりおろす。

②両者を混ぜて完成。

・りんごの甘みと大根おろしの辛味が焼肉にピッタリ。

りんご:胃腸の調子を整え消化を促進。疲労回復。喉の渇き、咳、下痢の改善。

食物繊維が豊富なので便秘を改善。

大根:胃もたれ、消化不良、痰の多い咳、喉の渇きに。

 

・大根を使って、喉のケア。

〈大根の蜂蜜漬け〉

①角切りした大根を蜂蜜に漬ける、または大根をおろして蜂蜜と合わせる。

②一晩おき、蜂蜜に大根のエキスが溶け出したら、お湯で割って飲む。

  あるいは、薄めずに、おちょこ一杯分くらいを飲む。

・痰を切る大根+肺を潤す・咳を止める蜂蜜の働きで、咳止めやカゼの予防に。

 

続いて、みかん。

みかん:食欲増進。気の巡りを改善し、しゃっくり、げっぷ、お腹の膨満感の解消。

・みかんの果肉の袋についている白い筋(橘絡:キツラク)は栄養を運ぶみかんの血管。

血流改善、免疫力強化、毛細血管強化。薄皮には食物繊維が多い。

・みかんの皮:気の巡りを改善。

みじん切りにしたみかんの皮を野菜炒めの最後に入れる。

千切りにしたみかんの皮を出来上がったお粥に加える。

 トースターでみかんを少し焦げるくらいに焼く。丸ごと食す。

・陳皮(みかんの皮の天日干し)も作ってくださいね。

 

ゆず:気を巡らせて咳、痰、吐き気などを改善。

・ゆず皮:果皮のビタミンCは果肉の4倍、カルシウムは2倍。リラックス効果。

・ゆずジャム、ゆず茶、化粧水(種)、と余すところなく使いましょう。

 

〈ゆずの蜂蜜漬け〉 咳止め、カゼの予防に

①消毒したビンにゆずの皮、実を刻み、ヒタヒタになるまで蜂蜜を注ぐ。

②2週間くらいで出来上がり。お湯で割って飲む。

 

 

12月になると、お屠蘇用の屠蘇散をおまけにつけたみりんをお店で見るようになります。

そのみりんを使ったお菓子。

 

〈りうのおやつ〉

①干しぶどう(20g)はぬるま湯に浸して汚れを落とし、水気を拭く。

②生胡桃(20g)は適当な大きさに砕き、松の実(20g)と一緒に乾煎りする。

③厚手の鍋にみりん(1カップ)を入れ沸かし、火を入れ、アルコールを飛ばす。

(火傷しないように注意)

④③に①と②を漬け込み、一晩置く。

みりん:疲れ、めまい、食欲不振などに。経絡を温め、気血の通りを改善。体の冷えに。

干しぶどう:むくみ、喉の渇き、疲労回復。

胡桃:腰痛、下半身の冷え、老化防止、咳、便秘。

松の実:体を潤し、空咳や便秘の改善、老化予防、美肌。

・昔、新聞にみりん屋さんが載せた「江戸時代のおやつ」のレシピです。

このおやつは、たぶん、池波正太郎の本の中の一品だと思います。

甘くて、冷やしても美味しい。

ちなみに、

②の乾煎りしたくるみと松の実に蜂蜜を絡めると、高齢者の空咳や喉の乾燥に良いです。

冬至(とうじ)12/22頃〜1/5頃

冬至は一年で最も陰気が強い、陰が極まる日。昼が短く夜が長い。

しかし、冬至の日を境に地下では陽気が動き始める。

 

冬至のカボチャ

かぼちゃは寒露(10月)でも書きましたが、疲労回復、冷え性の改善、風邪の予防、と寒い季節に食べるのは理にかなっています。中国では小豆粥(解毒)や体を温めるワンタン、餃子、もち米の団子を食べる風習があるそうです。そこで、

 

〈かぼちゃと小豆のいとこ煮〉

①かぼちゃはワタ・種を取り除き、一口大に切って、面取りをする。

②鍋に皮を下にして、醤油・塩(少々)、水で煮る。

③煮立ったら弱火にして落とし蓋をし、柔らかくなるまで煮る。

④ゆで小豆(缶詰/パウチ)を入れ、優しく混ぜて、2分ほど煮る。

・甘い味付けが好みであれば、②で砂糖を、④で加糖のゆで小豆を入れる。

・あずき:利尿作用が高く、老廃物を排出。むくみ、吹き出物、腫物の改善。

食物繊維も多い。

小豆粥は昔からの出産後の養生食。

「赤小豆」(せきしょうず)は生薬。屠蘇散にも入っています。

 

体の陽気を補い、腎を補益しましょう。

〈羊肉とニラの山椒炒め〉

①羊肉は食べやすい大きさに切り、塩・酒少々で下味をつける。

②ニンニクはみじん切り、ニラは3〜5cmくらいに切りそろえる。

③フライパンに油をひき、ニンニクを炒め、香りが立ったら①を加え、炒める。

④肉に火が通ったらニラ、調味料(酒・醤油・砂糖)を加えてさっと炒める。

⑤山椒(少々)をふり、塩で味を整えたら、ゴマ油を加えて混ぜる。

・羊肉:お腹を温める。冷え性、疲労回復。

・ニラ:別名「壮陽草」。陽気を盛んにし、体を温める。

・山椒:お腹を温める。冷えによる腹痛、消化不良の改善。香りは胸のつかえを改善。

 

 

おせち用に用意した百合根が余ったら

〈百合根と豆乳のお粥〉(1人分)

①百合根は一枚ずつ剥がして洗う。お米(1/2カップ)は洗う。

生姜(ひとかけ)は薄切り。

②鍋にお米、生姜と水(600cc)を入れ、強火。沸騰したら百合根を入れ、蓋をして弱火で煮る(時々混ぜる)。

③お米が柔らかく炊けたら生姜を取り除く。豆乳(100cc)と白味噌(大1)を入れ、

ひと煮立ちしたら火を止める。

④器に盛り、細かく切った青ネギを散らす。枸杞を散らすと彩りがきれい。

百合根:潤肺。空咳、肌の乾燥改善。不眠の改善。精神安定。

豆乳:体を滋養。喉の渇き、空咳の改善。

味噌:お腹を温める。お腹の冷え、冷えによる消化不良の改善。二日酔い。

 

体を温め、胃腸も温める。寒い時の、冷える時の味方、生姜。

中途半端に残ってしまいがちな生姜を無駄なく使い切りましょう。

〈生姜ジャム〉

①生姜(100g)は汚れたところをこそげとり、皮つきのままおろす。

②器に①と砂糖(100g)を入れ、混ぜ合わせたら、ラップはせずに電子レンジで5分。

③一度混ぜて、さらに23分レンジにかける。様子を見ながら加熱し、緩いかなというあたりで止めて、出来上がり。

・②は500wのレンジで5分ですが、水分が少なめですと5分で硬めに仕上がってしまう恐れがありますので、最初は34分でレンジにかけることをお勧めします。

・こちらも昔、新聞に載っていたベターホーム協会のレシピです。

刺激が強くて、病み付きになります。紅茶に入れたり、お湯で薄めて飲んだり。

ゾクっとして、ちょっとカゼっぽいかな、という時に飲んで、歯を磨いて、暖かくして、さっさと寝ます。

 

 

年末から年始にかけてはクリスマス、忘年会、冬休み、年末の旅行、新年を迎える準備など、慌しく、また食べ過ぎ飲み過ぎ、夜更かしで生活のリズムが乱れやすい、乾いて寒い、一年の疲れがどっと出て体調を崩しやすい、時期です。

寒邪(かんじゃ)に入り込む隙を与えませんように。温かい食事、保温、軽い運動、休養、十分な睡眠を。

小寒(しょうかん)1/5頃〜1/19頃

「寒の入り」。これからが冬本番。

節分(2月3日)までのほぼ一ヶ月間、寒さが厳しくなります。

 

体を温める食材を取り入れましょう

・経絡を温めて、血流を促進する、陽気の巡りをよくして冷えをとる。

温経・通陽の食材:ネギ、ザーサイ、らっきょう、シナモン、みりん、甘酒、酒、など

・温裏・温陽(体内の臓腑組織を温める)食材:にら、八角、など

・散寒(寒邪を散らし、冷えの緩和)の食材:フェンネル、フェンネルシード、しそ、生姜、にら、ネギ、よもぎ、からし、クローブ、胡椒、花椒、シナモン、唐辛子、八角、など

・「立冬」の項の、冬にとりたい食材も参考にしてください。

 

 

〈春の七草粥〉(1月7日)

・七草の若芽の生命力を取り込んで、邪気を払い、これからの一年間の無病息災、長寿健康を願います。

・せり、なずな(ぺんぺん草)、ごぎょう(母子草)、はこべら、ほとけのざ、

すずな(かぶ)、すずしろ(大根)。この七草に共通するのは、じっとしていることの多い冬の間に溜まった、熱性の毒素などを散らす働きです。

 

「小寒」の初候、日本は「芹乃栄」(せりが盛んに生える時期)ですが、中国のは「雁北郷」。

新しい功法「肝と胆に働きかける気功」に〈雁が北へ帰る〉という「式」がありますね。

中国伝来の二十四節気の七十二候は、長い年月の間に日本の風土に合わせて変わったようで、書かれている動植物の違いは興味深いです。

 

・鏡開き(111日)年神様のパワーをお汁粉やおかずに閉じ込めていただきましょう。 

 

・風邪のひき始めに

〈鶏肉と長芋の煮物葛あんかけ〉

①一口大に切った鶏もも肉を出汁、お酒、生姜(薄切り)でじっくり煮る(蓋はしない)。

②①のアクを取り除き、一口大に切った山芋を入れ、火を通す。

③塩、薄口醤油で味を整え、水で溶いた葛粉を入れ、火を通し、とろみをつける。

④器に入れ、白鬚ネギを盛る。

 ・鶏肉:気を補う、お腹を温める、冷えによる食欲不振、虚弱体質の人の体力強化。

・山芋:滋養強壮 疲労回復 体力増強 足腰の衰え 発育促進 頻尿 夜尿症 不眠。

・ネギ:陽気を温め、通すので体温が上がり発熱を促し、発汗して悪寒を除きカゼを治す。

 ・葛粉:体に潤いを与えて筋肉の緊張を解く。肩・背中・首の凝り、頭痛の緩和。

・ネギは気の巡りをよくするのでたっぷりのせます。

 

ここでは鶏もも肉と出汁を使いましたが、骨付き肉でも作ってみてください。

骨に含まれるカルシウムは、酢などと一緒に煮ると煮汁に溶け出しやすいそうです。

 

〈骨付き鶏肉のスープ〉

①たっぷりの水に、洗った手羽先10本くらい、椎茸2〜3枚、昆布10cm角1枚、

ニンニク1かけ、酢大さじ1を入れて火にかける。

②沸騰したらアクを取り、弱火にして柔らかくなるまで、1時間ほどじっくり煮込む。

③粗熱が取れたら密封容器に入れ、冷めたら冷蔵・冷凍して保存。

・肉の本数は鍋の容量にもよりますので、臨機応変に。

・このスープをラーメン、カレー、お粥、煮物などに利用します。

・鶏手羽元や骨付きのもも肉でスープをとった後の肉は、骨付きのまま、あるいは骨を除いた肉でいろいろな料理を展開できます。

手羽先もカレーに入れたり、炒めて、醤油・味醂などで煮からめると美味。

 

〈臘八粥〉(ろうはちがゆ):滋陰補陽

材料:もち米、うるち米、粟、小豆、松の実、栗、くるみ、ナツメ、落花生、蓮の実

①小豆、落花生、蓮の実を水から柔らかくなるまで煮る。

②沸騰したらもち米、うるち米、粟、松の実、栗、くるみ、棗を加え、強火。

 沸騰したら胡麻油など油を小さじ1/2ほど入れ、蓋をして弱火で30分炊く。

③最後に蜂蜜を入れて出来上がり。

・栄養価が高いだけでなく、穀類が脾・胃の、またナッツ類が五臓の働きを助ける。

・補腎:粟 くるみ 栗 松の実 蓮の実/老化による体の衰えを穏やかにし、生命力を高める。

・補血:松の実 ナツメ 落花生 / 美肌 良い顔色 健脳 精神安定。

・補気:もち米 うるち米 粟 ナツメ 蓮の実 / 疲労回復。

 

臘八粥は中国や台湾で、臘月(陰暦12月の異名)8日の臘八節に食べるお粥。

新暦では、2024年は118日になります。

先祖の霊を祀る日。また、厳しい修行によって悟りを開いたお釈迦様が体力回復に、最初に口にされた食べ物、とも言われています。

お粥に入れる材料は地方によって異なるようです。

この日、仏教寺院では信者や参詣人に無料で蝋八粥を振る舞います。

まもなく大寒(120日)という寒さも厳しい時にいただく温かいお粥は体だけでなく、心も温かく、穏やかな気持ちにさせてくれるでしょうね。

大寒(だいかん)1/20頃〜2/3頃

陰滅陽長

一年で最も寒さの厳しい時期。

とはいえ、大寒の初候「款冬華」(ふきのはなさく)にあるように、

雪の下からふきのとう(フキの花の蕾)が顔を見せます。

 

この時期も腎を補い、陽気の成長を促す食材を取り入れましょう。

 

〈もち米鶏鍋〉益気温陽補腎

①鶏小一羽は湯通しし、醤油と酒を全体に塗り、内側にもち米を入れ、楊枝でとめる。

②土鍋に①を入れ、山芋とにんじん(一口大)、生姜(薄切り)、ネギ(小口切り)、むき栗、ギンナン、小茴香(お茶パックに入れる)、醤油、お酒を加えてじっくり煮込む。

③塩・胡椒で味を整える。

・小茴香(しょうういきょう)(茴香/フェンネルの種):温性、辛味。肝・腎・脾・胃に帰経。寒さを除く、気を巡らす作用がある。消化の促進。胃腸が冷えて痛いときに効果。

・温性・辛味の小茴香と鶏肉を合わせると、腎を温め陽気を補う効果が高まる。

・我が家には鶏小一羽が入る大きさの鍋がないので、鶏肉は半身か、骨付きのもも肉で作ります。鍋というより、お粥になりますね。

 

・1月20日 大寒 寒稽古の日

(多くの寒稽古は「寒の入り」からこの時期までに行われるようです)。

 

「寒稽古 急ぐ姿に 気をもらう」(吉宇田麻衣)

寒い朝、小走りに脇を通っていく稽古着の子の、緊張と気合。

もう一句

「寒稽古済み 朝粥の湯気 豊か」(浅井吉雄慈)

皆凛々しく、清々しく。これは白粥でしょうね。

 

こちらは「花かゆ」(いろいろな具が入ったお粥)。

〈八宝粥〉補気養血 清心安神

材料:もち米、小豆、落花生、なつめ、蓮の実、百合根、龍眼肉、レーズン

①鍋に小豆、落花生、水を入れ、柔らかくなるまで煮る。

②沸騰したら、米、なつめ、蓮の実、百合根、龍眼肉を加え、強火。

③沸騰したら油(小1/2)をさし、蓋をして弱火で30分炊く。

④レーズンを加え、5分ほど煮る。

・数字の八にこだわらずに、手元にあるもので、作ってみてください。

 

八宝がらみで

〈八宝茶〉

材料:くるみ(10g)、松の実(5g)、ナツメ(4)、龍眼肉(10g)、枸杞の実(5g)

シナモンパウダー(1g)、ジンジャーパウダー(1g)、黒砂糖(30g)

①くるみは炒って、細かくすり潰す。ナツメは種を除く。

②鍋に水600ccと全ての材料を入れ、強火で20分くらい煎じ、濾す。

・くるみ(補腎・温肺)、松の実(潤肺)、ナツメ(補気・補血)、龍眼肉(補血)

枸杞の実(補陰・潤肺)、黒砂糖(お腹を温める・血の流れをよくする・疲労回復)

・ジンジャー(乾姜):熱性。辛味。脾・胃・心・肺。お腹を温め、冷えを取る。

・シナモン(肉柱/桂皮):熱。辛・甘。肝・腎・心・脾・胃。臓腑を温め、冷えをとる。

 

 

休みの日には朝食にお粥を食べることを始めてみてください。

白粥ではなく、お豆や根菜、ナッツ、ささみなど、ご自分の体調に合わせて、栄養のバランスを考えて具材を選び、ゆっくり作って、ゆっくり食べて味わってください。

お粥は口当たりも良く、朝の空っぽの胃に優しく、消化にもよく、お米のエネルギー、具材の栄養を丸ごと取り込め、力が湧きます。

 

 

 

2月3日の節分の翌日は立春。

春から始めたこのコラムも一年が過ぎ、今回で終了です。

 

「食養」は中医学の理論に基づいた中医薬膳学の「食用」「食養」「食療」「薬膳」「食忌」に分類されるものの一つで、食材を用いて身体を養うことです。

食養(食養生)の目的は強壮な身体、老化防止、美容、ダイエットなどです。

 

このコラムでは、季節の変化に合わせて、病気にならないように、体を整えるための食材について考えたいと思いました。例えば、風邪をひかないように、冷えないように、喉を痛めないように、等々、どんな食材を取ればよいのか、またその根拠となる中医学の考え方について書きたいと思いました。

それに相応しい内容だったか、それができたかといえば、忸怩たるものがあります。

 

食養について考える良い機会を与えてくださった皆様に感謝申し上げます。

 

「正気存内、邪不可干」「精神内守、病安従来」

 

国際中医薬膳師 海月

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